コンパクトなプランは「兼用」で色々な要素を盛り込む

専有面積57.12㎡　3LDKの間取りをどうプランニングするか・・・

before

今回、beforeと同じ3LDKのプランと、ゆったりとした1LDKの2プランを作成しました。まず、beforeの間取りから見て行きましょう。
beforeの間取りはLDKに個室2部屋が続き間になっており、中央の和室には窓が無いため閉塞的で風通しもよくありません。 収納は全部で3か所にありますが、洋室の収納は出し入れし辛い天袋のため、毎日着る洋服を収納するのは不向きです。日用品（自宅にある物を思い浮かべて下さい。文具、薬、取扱説明書、裁縫道具、工具、防災グッズ、掃除用品、ストック…）は廊下の物入に収めるには容量が足りるかどうか･･？入りきらない物は衣類や布団と一緒に押入に収納することになりますが、この和室を個室にした場合、家族が必要な物を取りに出入りするためプライバシー面が気になります。収納家具を配置すると有効面積が減り、収納家具のデザインによってはインテリアに影響を及ぼします。
断捨離やミニマリズムがブームになり、持ち物を見直す人が出てきていますが、それでもまだ多くの人がたくさんの物と生活しています。「雑誌に出てくるような物が少ないスッキリとしたインテリアに憧れる」という人は多いですが、家族構成・年齢・ライフスタイルによって必要な物の量は一人一人違ってきます。それと同じように「間取り」も家族構成やライフスステージ、ライフタイルによって違って当然ですが、現実はどれも似たり寄ったりの間取りで、中には「住む人の事を考えればこうはならないだろう･･」と怒りを覚えるものもあります。
「物の量」と一緒に「間取り」を改善すれば、家の中での生活は今よりもっと良く、もっと楽しくなります。賃貸も分譲も関係なく、すべての人がライフスタイルにあった間取りで生活する世の中になれば･･。そう思わずにはいられません。

「兼用」でコンパクトな空間にたくさんの要素を盛り込んだ3LDK

※勝手に妄想しているため、実現可能かは不明です。

beforeと同じく個室を縦一列に配置していますが、部屋と部屋を仕切る引き戸を開ければ風が通るのがbeforeと違う点。洋室2部屋の間仕切りを外せば2LDKにプラン変更が可能。ライフスタイルにあわせてフレキシブルに対応できるようにしました。
玄関横の和室は来客用の客間に使いやすく、またリビングから一番離れているので、静かに読書や仕事をするのにピッタリです。和室は「小上がり」になっており、畳の下は「収納」に「兼用」ししています。小上がりにすることで天井が低く＝空間がよりコンパクトになり、籠り感が心地よい一室に。「小上がり」の「兼用」で空間のメリハリと収納確保を可能にしました。
LDKはキッチン、ダイニングテーブル、ソファを置くにはコンパクトなため、キッチンとダイニングテーブルを「兼用」してリビングのゆとりを確保。シンク・コンロは作業に集中しやすい壁向きですが、すぐ近くにダイニングがあるため、作業中も家族と会話がしやすいです。キッチンの近くに収納を配置しましたが、日用品など生活感の出やすい物は直接見えないよう扉を付けています。

多機能なダイニングテーブルで省スペースに。ダイニングチェアを兼ねた小上がりの和室。

※勝手に妄想しているため、実現可能かは不明です。

もう一つのプランはゆったりとした1LDKで、大きなダイニングテーブルがポイントです。1LDKで空間にゆとりをもたせてはいますが専有面積に限りはあるもの。たくさんの要素を盛り込むために、ここでも「兼用」が活躍します。
大きなダイニングテーブルは大人数で座ることができるのはもちろん「PCデスク」としても使えるように見えない位置にコンセントを配備。さらに、テーブルを小上がりの和室に被さるように配置して「和室の机」や「ダイニングチェア＝小上がり」に兼用しています。
ダイニングテーブルは3メートルを超える大きなもので、市販ではなかなか見かけないので造作になります。どの材を使うかで空間の雰囲気は一変。チーク、ウォールナット、ナラ、サクラ、トチ、タモ、ブナ、ニレ・・。色、手触り、堅さなど材によって千差万別。自分のお気に入りの材を見つけ、そこからインテリアを考えるのもいいですね。
廊下とリビングを仕切るドアは向こうが透けて見えるガラス製で、狭い廊下でも閉塞感を感じさせません。
収納はbeforeと同じ3か所ですが用途、容量が違います。日用品など細かな物はリビングの壁面に。季節家電などかさ張る物は小上がりの下に。衣類は個室のWICに収納します。